
つい最近嫌な気分になることがありました。
それは頭が薄い人に向かって、ハゲなどと言っている場面でした。
普段、ニュースなどで不倫や不正義などの事件が報じられると多くの人が許せない!と正義感や道徳心からか、間違ったことはするな!償え!と流れるようにコメントがなされる一方で、
このハゲという言葉がかなり深刻な差別用語ということ、名誉棄損や不法行為にあたることをまだまだ多くの人が認識できていないのは不思議で仕方ないところです。
常識人を自負するなら知っておきたい「ハゲ」発言について、また書いてみたいと思います。
なお私は別に禿げていないです・・・
★目次(もくじ)
ハゲという発言は差別用語、名誉棄損や不法行為にも
近代的な文明時代になぜずっとこの発言が軽い冗談のように使われ続けるのか本当に不思議でなりません。
ハゲ発言の元となる要因は、多くは、その対象人物の頭髪が薄いもしくはないというのが最たるものでしょう。
ということは、人間の外見を見たうえで、それに起因する悪口を言っているだけという、ただ外見的特徴を指摘し馬鹿にしているということになります。
いわばこれは、肢体の一部が欠損していたり、何らかの特徴がある人に対し、それを適示し、馬鹿にしている構図と全く同じです。
そして頭髪が薄いという身体的な特徴は、自身の力ではどうしようもない不可抗力なことです。
わざわざそのどうしようもない、かつ外見的特徴を適示し悪口とするのは、その発言者が未熟者か人格に問題があるとしか考えられないと強く思うところです。
さらにこのような発言は上記の理由から、差別を表す言葉であり、また発言される場面によっては当人の社会的評判を落としたり、損なったりする可能性もあり、名誉棄損になる可能性、
また、身体の外見的特徴をなじるという行為は、当人の精神を破壊することにもつながり、これは慰謝料や損害賠償請求の根拠になり、不法行為の可能性も十分あります。
冗談でハゲなどと発言することがある人は、この発言は、相手が自分ではどうしようもない身体的特徴である外見の一部を適示し、馬鹿にする行為という、
人として最低の行為だということを認識しておく必要があります。
デブ発言は、許される余地はある
一方でハゲと同じくよく使われる悪口として、デブがあると思います。
このハゲとデブの悪口の差について特に深く考えたことがある人はそれほどいないと思いますが、この両者には大きな差があります。
ハゲ | デブ | |
身体的特徴である | 〇 | 〇 |
外見的な特徴である | 〇 | 〇 |
本人の意思では変えられない | 〇 | × |
名誉棄損可能性 | 〇 | △ |
慰謝料・不法行為可能性 | 〇 | △ |
性別による特性がある | 〇 | × |
このように多くは共通していますが、最も重要な部分、
・自分の意志では変えられないもの
・性別による特性がある(逆なら大炎上するでしょう)
において異なっており、太る原因は科学的にも証明されており(カロリー過剰摂取など)、自分の意志次第で多少の差はあれ基本的にはコントロールできるものです。
ですので、外見的な身体的特徴を適示して揶揄されるとしても、デブは変えられることであり、ハゲは変えられないこととなり、
当人次第で変えられるデブは、ハゲに比べればまだ少しは許される余地があるかもしれないという考えにはなります。(まぁ文明的に許されませんが、ハゲ発言がそれほど卑劣であり、身体的特徴をなじるという最悪のいじめレベルということです)
わざわざ身体的特徴をなじる必要は絶対にない
ということで、ハゲ発言は本人がどうしようもない身体的な特徴をあげて外見をからかうという最低な精神的加害行為です。でも世間ではまだまだ聞こえてくることも多いです。
そのたびに発言者に対し、君の人間性と常識をはかるバランス感覚は大丈夫なのか?と感じるわけです。
例えどんな理由があったとしても外見的な身体的特徴を揶揄し、なじったりすることはあってはならないことだと思います。
それが本人の意思で変えられないものならなおさらです。心を抹殺する行為に等しいわけです。
実はそんな恐ろしいことが平気で許されるように感じることが社会の寛容性と大間違いしている人はまだまだとても多いのだとも思いつつ、そのような人が増えないように祈るところです。