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「ホワイトタイガー(ベンガルトラ)」の悲しい宿命の連鎖【トラ】

 

この写真はある体験型動物園で撮った写真です。低い唸り声で威嚇している姿は迫力満点でした。

 

私も動物は好きで、特にトラとシャチが好きですね。強いものに憧れる気持ちはやはり強いです。かっこいいですからね。

 

しかし、実は食物連鎖の頂点にいるからと言って、万事平穏で楽な生き方ができるわけではない。今回はそんな話を書いていこうと思います。

 

とても人気があるホワイトタイガーの表ではない、裏の悲しい宿命のようなものですね。

 

ホワイトタイガー

 

ネコ科(食肉目)ヒョウ属に分類されます。インドなどに生息するベンガルトラの1種で、ベンガルトラ白変種といわれています。

 

ベンガルトラの「白バージョン」といったところでしょうか。

 

白色ですが、アルビノではなく、通常時において、元々持っている遺伝子の劣勢遺伝によりこの色の個体が生まれることがあるというものです。確率はかなり低いようですが。

 

生息数は世界でも300頭程度といわれ、日本国内では30頭程度といわれています。本当に数が少ないことがおわかりいただけると思います。

 

そして、現在の自然界には残念ながらホワイトタイガーはまずいません。

 

やはり自然界では、元々生まれる確率がとても低いこと、さらにこのような特徴が強い個体は生まれたときから狙われやすく、沙汰されてる可能性がとても高いものですからね。

 

ですので、動物園などで見ることができるホワイトタイガーは、飼育下のホワイトタイガー同士で繁殖させ、生まれた個体であるということになります。

 

後述しますがこの人の手による繁殖が、実はホワイトタイガーに悲しい宿命を背負わせる結果になってしまっているのです。

 

大型のホワイトタイガー(ベンガルトラ)の強さはネコ科最強!

 

こういう話題は大好きです。

 

ホワイトタイガーはベンガルトラですから、その戦闘力はとても高いものがあります。

 

トラ界の最強は、一番大きいアムールトラ(シベリアトラ)ではありますが、ベンガルトラの大きさもそれほど変わらず、むしろ個体差によることが多いです。

 

ですので、大きく育ったベンガルトラはトラ界最強とも言えますね。

 

その強さですが、動物界での強さは、条件によってかなり変わりますので一概にというのは難しいです。

 

例えば、百獣の王といわれるライオンは、基本的にメスライオンが集団で連携して獲物を狩ります。

 

ですので、時には自分よりも大きな獲物を標的にすることができます。

 

その一方で、メスライオンの体はトラやオスライオンの大きさと比べれば小さいので、1対1ではトラにはまず勝てないですよね。

 

まずは、基本スペック。

 

全長

ライオン(オス) 230cm~280cmほど

ベンガルトラ(オス) 230~300cmほど

(ネコ 50㎝~80㎝ほど)

 

体重

ライオン(オス) 150~230kgほど

ベンガルトラ(オス) 180~230kgほど

(ネコ 4kg~10kgほど)

 

両者はほぼ互角ですね。ネコさんは残念ながらワンパンチで餌食です(泣)

 

ここでオスライオンについてですが、ゾウやサイなどの大型動物を除いた中であれば最強クラスです。

 

特に、キレて荒ぶるオスライオンは、ハイエナなども簡単に蹴散らします。サバンナで荒れ狂うオスライオンに敵う動物はそうそういません。

 

そんなオスライオンですが、ベンガルトラであるホワイトタイガーが戦ったらどうなるでしょうか?

 

おそらくホワイトタイガーの勝利です。

 

理由としては、そもそもオスライオンは普段狩りもせず、戦いといえば部外者を追い払うときなど、基本的に戦うときは正面から威嚇し突っかかることしかありません。

 

一方で、トラは普段から単独生活ですから狩りも自ら行います。

 

竹やぶなどで獲物を見つけると臭いで気づかれないように風下からそっと近づき、一気にとびかかり一撃で首を噛んで致命傷を与えます。

 

一撃必殺で相手を確実に仕留めるという点で大きな力量の差がありそうで、普通に考えれば、ホワイトタイガーが勝つと予測できるということになると考えられますね。

 

結局、私がトラ好きなのでどんな内容の戦いをシミュレーションしても、武井壮(室伏以外であれば絶対自分が勝つという独自理論)判定をするので、ホワイトタイガーが勝つという予測になると思います(笑)

 

え、水の中ではどうかですか?

鋭いですね!

確かに、ネコ科の動物は基本水(の中)を避ける傾向があります。

 

オスライオンも基本水の中に入るということはありません。ですので泳ぎも得意ではないです。

 

しかし!

我らがホワイトタイガーは、実は水遊びを行ったり、川を泳いで移動することも珍しくありませんし、むしろ泳ぎは得意な方だと思います。

 

ということですので、両者が水の中で戦ってもホワイトタイガーが勝つと考えられますね。

 

ネコ科最強のホワイトタイガーは、青い目を持ち、白い体、そして強く、かっこいい。モテ要素全部持ってまいますから、大人気なであるのも頷けますよね。

 

しかし、こんな羨ましいホワイトタイガーですが、実は悲しい宿命を抱えています。表では知ることがない、ホワイトタイガーの裏の事情を次で書いていきます。

 

ホワイトタイガーの悲しい宿命

 

先程も書きましたが、ホワイトタイガーは通常のベンガルトラの中で極まれに生まれてくる数少ない白色のトラです。

 

そして、上記でも書きましたが、現在自然界での生存を確認することはできていません。

 

ですので、今日本で見られるホワイトタイガーのほぼすべてが、人間が動物園で飼育するために繁殖しているということになります。

 

そして、人の手で繁殖させるときには、必ずホワイトタイガーが生まれてくるように、ホワイトタイガーの雌雄でペアで繁殖させ調節します。

 

実は、これがホワイトタイガーに悲しい宿命を背負わせていきます。

 

どういうことかと言いますと、

 

現在存在しているホワイトタイガーはほぼ人工繁殖ですので血縁関係にあります。

 

人の手によって血縁関係での交配が行われホワイトタイガーの子供が生まれます。そして、その子供が親になり、またの血縁関係での交配が行われホワイトタイガーの子供を産む。

 

そう、血縁関係の交配が続くということなのです。

 

この繰り返しで生まれてくる子は、何らかの欠損や障害を負って生まれてくる可能性がそうでない場合と比べて高く、体が弱く、寿命も短いといわれています。

 

これはあまり表にでる話ではありませんが、すでにこの弊害は起きつつあるようで、死産の可能性が高まっていたり、目や足に障害を持って生まれてきた例もあるようです。

 

このようなことが理由で、今後ホワイトタイガーの飼育はやめると宣言した動物園があったというニュースもありましたね。

 

人間が、種の繁栄のために一生懸命やればやるほど、ホワイトタイガーは代を継ぐごとにその生きる力を細らせていってしまう

 

何という皮肉というのか取り合わせというのか。これは、本当に人間にとっても、ホワイトタイガーとっても悲しいさだめだと感じるところです。

 

アメリカではこのような理由で繁殖に否定的な意見もあるといいますので、いつかは日本でも禁止されるのかもしれません。

 

そうなれば不幸を背負って生まれてくるホワイトタイガーはいなくなりますが、一方で二度とホワイトタイガーに会えることもなくなりますね。

 

行きつく先はどうなるかわかりませんが、現在日本の動物園で飼育されているホワイトタイガーには幸いたくさん愛情が注がれ大切に育てられていると感じます。

 

これからも末永く何代にも渡って元気に生きてくれることを心から願っていきたいですね。

 

今後、動物園などでホワイトタイガーを見るときには、心の中で、がんばってきたんだねって声をかけてあげたいと思います。

 

 

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