
さて、前からの続きですね。
前記事で自身の著作物の使用については伝わったと思います。
ですので、今回は他人の著作物の適法な使用方法について書いていこうと思います。
ブログなどで、他人の著作物を使用する場合には原則として許諾を得ることが必要でした。
ただし、これは原則ですからその例外として、実は許諾をとらなくても使用できる方法について著作権法で定めがあります。
そのあたりから早速見ていきましょう。
★前記事で著作権とは? など解説しています~★

★目次(もくじ)
他人の著作物の適法な使用例
他人の著作物を、その著作権者の事前の許諾を得ずに使用できる例としては以下があります。
「引用」
これは一般的にもっとも利用されている方法だと思います。
引用とは、簡単にいいますと他人の文章など著作物を、自分の話や文書の中に用いて批評などをすることです。
ただし、当然制約があります。条件とされているのは以下となります。
・既に公表されている著作物であること
・「公正な慣行」に合致すること
・報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること
・引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
・カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
・引用を行う「必然性」があること
・「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
出典:文化庁「著作権なるほど質問箱」
と、これらの条件をすべて満たす必要があります。
いつものように言葉だけだと少し難しいので、順番に見ていきましょう。
・既に公表されている著作物であること
その時点で、すでに公表されいているものでなければならないということです。
知ろうと思えば、その情報に誰でもアクセスできるような状態ですね。
例えば、ググっていくつも出てくるようなものであれば、公表されていると考えて良いと思います。
・「公正な慣行」に合致すること
言葉だけだと少し難しいですね。
ブログ記事で例えるなら、インターネット上の多くのブログで引用がなされる際に、一般的に用いられている方法とでも言えばよいでしょうか。
おそらく多くの一般的なブログでは、以下の引用タグを使って
<blockquote>~~~</blockquote>
引用部分最後にわかりやすく、出典:掲載元+どこのページか(リンク) のような表記があると思いますので、このように、多くの人が一般的に行っている方法に従いましょうということですね。
・報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること
これは、簡単にいえばその引用の必要程度、量や範囲が適当か、引用の方法が適切かなどの総合的観点から判断されるものです。
具体的には、引用した部分についての批評や評論をするなどの合理的な理由が存在するようしておけば問題ないと思います。
・引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
これは、主=引用する人の批評等、従が引用記事ということになります。
引用部分が記事のメインになっているような内容は、認められないということですね。確かに引用部分がメインになるということは、単なるコピーにすぎないですよね。ある意味当然ですね。
あくまでも自分が書く記事がメインであり、その一部で引用し利用する必要があります。
・カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
kれは、誰が見ても、引用部分が明確に識別できるようになっているということですね。
本文と引用部分は、ひと目でハッキリ区別できる状態にしておきましょう。
・引用を行う「必然性」があること
簡単に言えば、引用することに合理的な理由があるかということですね。
例えば、何となくかっこいいからと本文中にミスチルの曲の歌詞を引用して入れたけど、そこには全く触れず、そのまま載せただけだった。
などということは認められないということです。
歌詞を書いておかないと伝わりにくので、その歌詞を引用して書き入れ、自分の感想や批評を行うというような理由が必要ということですね。
・「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
出所の明示とは、誰の何という著作物かということを表示するということです。
これは、ひと目で表示があるかないかはわかるので必ずしっかり明示しましょう。
例えばブログであれば、最低限引用部分をタグで囲み、下部に
出典:掲載元+どこのページか(リンク)
などと記載しておけば良いと思います。
以上、これらの条件をすべて満たしていると判断できれば、他人の著作物を事前の許諾なく使用しても、著作権の侵害にならないということになります。
あと、画像や図の引用についても可能ですが、文章のみと違っていろいろな問題が絡む可能性があり、説明が難しいと感じるのと、おすすめはしないという理由があって今回は触れません。
このあたりはブログを書く者として、必要性を感じる機会がもしあれば後日書かせていただきます。
さて、いかがでしたでしょうか。引用のイメージは掴めたでしょうか。
制約が多い引用ですが、記事などで他人の著作物を使用できるメリットは大きいと思いますので、覚えておくと便利だと思います。
・パブリックドメイン
次は、パブリックドメインと言われる著作権フリーとなっている著作物について少し見てみましょう。
著作権には保護期間が定められており、現在は原則として著作者の死後50年間です(日本。映画など一部除く)。
ですので、著作者の死後50年以上経過していることが明らかなものは、一部を除き誰もが自由に使用できるようになります。
このようなものを「パブリックドメイン」と呼んでいます。
例えば、多くのクラシック音楽や童謡などがこれに当たりますが、CMなどでアレンジされてよく使用されるのは、このような理由があります。
次は番外編です。
もし著作権の侵害警告がきたら
このあたりのことを心配する方もいると思いますので少しだけ書きますね。
例えば、いろいろ気を付けていたけど、突然、著作権侵害に関する警告書が届いた。というようなことは、実はときどきあります。
いきなりのことに驚いてしまうと思いますが、まずは落ちついて対応していきましょう。
一般的な話にはなりますが、著作権侵害の問い合わせについては、まず警告や事実確認の通知がきます。
その多くは削除要請だと思いますので、特に異議がなければ迅速にその内容に従い、対応連絡をして経緯を見るということも多いと思います。
実は著作権を侵害しているかどうかの判断は、当事者ごとに認識が異なるケースも多く、実際に裁判で争って結果が出ない限り侵害であったかどうかは明らかになりません。
ですので、警告がきた時点では著作権の侵害かあったかどうかということは、実は誰にもわかりません。
とはいっても、侵害警告が来た時点で、相手方がこちらの何かに不満を持っているということだけは確実ですので、大きな問題に発展する前に対応してしまうということがベストです。
少しでも不安や疑問があったら、専門家に相談することも良いと思いますね。
以上、参考になれば幸いです。