
日々それなりに相談されることはありますが、その中には風俗や夜のお仕事関係の人(以降まとめて「夜のお仕事関係者」と表現します)もいてその内容の多くはお金か掲示板等による誹謗中傷についてです。
そこで今回はそのようなお仕事をされている方の誹謗中傷による名誉棄損について書いてみたいと思います。
★目次(もくじ)
夜のお仕事関係者の悩みは深い
とにかく夜のお仕事関係者の悩みは深いものが多い印象です。
・お金
・ネットでの誹謗中傷
・暴力、強要など
・病気、けが
など改めて書いてみると心身に直結している内容が多く、また職業柄気軽にすべてを話し相談できる人も見つけにくく、”悩みが深い” ものと感じるのも当然なのかもしれませんね。
ネット掲示板等による誹謗中傷で傷ついている人は多い
経験談でもあり、実際そうなのですがネット掲示板等による誹謗中傷に傷ついている人は本当に多いです。
当然本人の責任であれば仕方がない反面、そうでない場合も匿名で書かれてしまい、また名指しではないが本人が読めば自分だとわかるという、特異さもあり傷ついている人は多いですね。
・5ch
・爆サイ
よく聞くところです。
ネット掲示板等の誹謗中傷は名誉棄損にあたるのか?
相談者皆さんがまず知りたがるのはここですよね。
結論から言いますと、
名誉棄損にあたる可能性はありますが、その証明と裁判所での認定(判決)を得るのにあまりにも時間と費用が掛かり、また本人が隠したいと思っていることも知られてしまうことが多い(個人的な一般論)
ということになると思います。内容を簡潔に見ていきますと、
・名誉棄損にあたるのか?
名誉棄損は刑事(警察が扱う犯罪)と民事(犯罪ではない違法行為)とありますが、一般人同士などの事案で警察が扱ってくれることは多くありません。
一応、刑法第230条第1項では
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」
とありますが、今回はというか基本的に考えなくて良いです。(どうしてもという場合は警察に相談し被害届を受理してもらえれば(経験上ほぼ無理という印象)事件扱いにはなります)
そして民事での基本的な考え方としては、
「公然と事実の摘示(書いたり)があり、事実摘示によりその人の社会的評価を低下させるものである(ただし事実適示だけではない意見や評論なども含まれる)」
という感じで刑事よりは適用範囲が広くなっています。とはいえ上記要件を客観的に満たしていると判断してもらえる内容であることが必須となります。
実は業種の特異性もあり、多くの内容がこの時点で該当しないというのが実際のところだと思います。
・実際の提訴まで
匿名掲示板の記載についての場合は、開示請求(弁護士委任)→IP、書き込み者特定→提訴 というような流れになるかと思います。なお開示請求の段階で弁護士に委任することになると思います。(弁護士費用は「着手金+成功報酬の〇〇%」などが一般的)
・損害賠償金の額
裁判所で名誉棄損と認められた場合、一般的な名誉棄損案件の賠償金の額は、一般人の場合は数万から数十万程度が多数です。
というところで私としては、
・確実に名誉棄損にあたる内容
・費用倒れにならない内容
が明らかな場合(悪質性)以外は難しいと思いますよという回答しかできない感じです。
良い方法は?
こうなると次に知りたいのは何かできることはない?ということですよね。
ズバリ最善の方法は『示談』であると思います。
ただし重要なこととして、事前に示談をさせられるだけの証拠などを集めたり、それをもとに言い訳できないような理論を組み立てておくことは絶対です。(日付や時間帯、本人しか知りえない情報であるなど)
また、むやみに示談を迫ったりすれば逆に脅迫などの犯罪行為にもなりかねませんのでこういった点にも注意する必要がありますね。
自分は自分しか守れませんので、人の中にはとんでもない思考や性格の持ち主も一定数いますし、そういった人たちを異世界人だと思って全く気にしないというのもありだと思いますね。
日々のお仕事お疲れ様です。それでは。