
昨今のニュースにて、NHKが『NHKを見なければ受信契約を締結せず、受信料を支払わなくて良いというのは違法行為を法律違反を勧める行為である』
という見解を示し、このような明らかな法律違反には厳しく対処していくという声明を出したというのを見かけました。
しかし、この声明には違和感を持たざるを得ません。
そこで今回は、NHKを見なければ受信契約を締結せず、受信料を支払わなくても良いということが必ずしも法律違反になるわけではないということについて書いてみたいと思います。
★目次(もくじ)
NHKと受信契約を締結しなければいけない条件
まず、NHKと受信契約を締結しなければいけない条件について見てみましょう。
放送法を根拠にして、
NHKの放送を受信できる設備を設置したとき
ということになっています。
ですから、NHKの放送を受信できる設備を設置していなければそもそも受信契約を締結する義務はありません。
ということですので、『NHKを見なければ(そもそもTVを見なければ)、受信契約を締結せず、受信料を支払わない』ということが、必ずしも法律違反になるということにはなりませんよね。
受信契約の締結無くして受信料の請求はできない
そして放送法では、
NHKの放送を受信できる設備を設置した場合には、受信契約を締結する義務がある
と定められているだけにすぎず、
受信できる設備を設置したからといって、そのまま受信契約が締結されるわけではありません。
あくまで、受信契約の締結義務があるということにすぎない、ということですので、NHKは受信契約を締結するために訪問したり、申込書面を郵送したりして受信契約を締結しようと躍起になるわけです。
受信設備の設置とは?
そもそも受信設備の設置とはどのような場合を言うのでしょうか。
現時点ではっきりしているのは、
①TVを所有していること
②ワンセグを受信できる機器を所有していること
の2つです。
ということは、TVまたはワンセグを受信できる機器を所有していない場合には、そもそも受信契約を締結する必要がありません。
NHKの受信契約を拒否できる理由
上記で見たように、TVまたはワンセグを受信できる機器を所有していない場合には、そもそも受信契約の締結の義務がありませんので、所有していないことを正当な理由としてNHKの受信契約を拒否できます。
そして、NHKの受信料は税金のように思われがちですが、NHKの権限としては税金の徴収のように強制徴収や調査権は認めれられていませんので、
NHKが屋内に入ってTVの有無を確認したり、ワンセグを受信できる機器を所持しているかを強制的に確認する等の行為はできません。
ですので、調べさせてほしいと言われても拒否できますし、無理やり調べようとした場合などは住居侵入罪などの可能性がありますので、警察に通報するような案件になったりします。
受信設備の設置が確実な場合には強制的に契約締結と受信料の徴収が行われる
度々裁判でNHKが勝訴したというようなことを見かけることがありますし、今後もあると思います。
そしてNHKが受信料の支払いを求めていた裁判で勝訴したと聞くと、強制的に徴収が行われるのではないかと、慌てて受信契約を締結する人も一気に増えたりします。
しかしNHKが裁判を起こす際には条件があって、
①TVやワンセグ受信機器の所有を認めている場合(否定していない場合)
②受信契約の締結をしている場合
などに限られています。
上記で書いたように、NHKには受信設備の設置を強制的に確認できる方法がありませんので、受信機器の設置が確実な場合と受信契約を締結している場合にしか裁判を起こしていないのが現状です。
そしてこの場合にはNHKの勝訴は確実ですので、NHKの裁判記事が出るたびに、NHKが勝訴しているということが印象に残っていきますよね。
NHKの受信契約と受信料の支払いにはこのような関係があり、NHKを見ないから(TVを見ない)受信料は支払わないということが、必ずしも違法になるわけではないということが言えるわけですね。