相談・経験談

【経験談】裁判員制度で裁判員に選ばれるまでの流れ

裁判員制度。言葉は知っているが実際経験された方はまだまだ少ないのではないでしょうか。

2009年に裁判員制度が導入されてから10年以上経ちましたが、その間に私は運良く?裁判員に選任されまして、実際に裁判に参加するという経験をしましたので、

 

今回は全く知らない人でも何となく把握できるように、まずは実際に選任されるまでの流れを書いていきたいと思います。

 

裁判員制度とは

ご存じの方も多いと思いますが簡単に書いておきます。

・平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立

・平成21年5月21日から裁判員制度開始

裁判員制度とは無作為に選ばれた一般人が、裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。

国民が刑事裁判に参加することにより裁判が身近となり、司法に対する国民の信頼向上につながることが期待されています。

国民が裁判に参加する制度はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどにも設置されています。

 

裁判員制度で扱う事件

裁判員制度の対象となる事件は、中でも重大な事件に限られています。具体的には以下のようなものとなります。

・人を殺した場合(殺人)

・強盗、または関連し人にけがをさせる、あるいは死亡させてしまった場合(強盗致死傷)

・人にけがをさせ、死亡させてしまった場合(傷害致死)

・泥酔した状態で自動車等を運転して人をひき死亡させてしまった場合(危険運転致死)

・人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)

・身の代金を取る目的で人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)

・子供に食事を与えず放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)

・財産上の利益を得る目的で覚せい剤を密輸入した場合(覚せい剤取締法違反)

など、刑事事件であり、かつ人身または財産に重大な加害行為を与えかねないようなものに限られています。

 

裁判員に選任されるまでの流れ

実際には以下のような流れになっています。

裁判員に選ばれるかもしれません という通知(裁判員名簿に名前が載る)

郵送で通知が来る。調査票に必要事項を記入し返送。

裁判員候補者に選任されました という通知(ある事件で裁判員候補者に抽選で選ばれる)

選任手続きのため指定日時に実際に裁判所へ赴く

裁判員に選任される(裁判員に選任される)

 

①裁判員に選ばれるかもしれません という通知

裁判員に選任されるには3段階の抽選があり、まず裁判員に選任する以前に裁判員候補者の名簿が作成されます。こちらがそのうちの1つめとなります。

これに選ばれる人の条件は、管轄の地方裁判所ごとに、

管内の市区町村の選挙管理委員会が衆議院議員の選挙権を有する人の中から、くじで選ばれた人

ととなり、選挙権を有していない人は選ばれず、原則的に未成年や外国籍の人が選ばれることはありません。

 

そしてこの通知の際に、もし裁判員に選任された場合の参加が問題ないかという調査票も送られてきますのでこちらに回答をし返送することになります。

なお、原則としては参加が前提であり、理由がある人に限り不参加が認められる性質のものとなっています。

*調査票の内容

・就職禁止事由への該当の有無(例:自衛官や警察職員など)

・客観的な辞退事由に該当する場合、1年を通じての辞退希望の有無・理由(例:70歳以上、学生または生徒、過去5年以内における裁判員経験者など)

・重い疾病または傷害があるため裁判員としての参加が困難な場合、1年を通じての辞退希望の有無・理由

・月の大半にわたって裁判員となることが特に困難な特定の月がある場合、その特定の月における辞退希望の有無・理由。※注(例:株主総会の開催月など)

※調査票の記載から、特定の月の大半にわたって裁判員になることができない事情(辞退事由)があると認められた場合、当該特定の月に行われる事件については、裁判員候補者として裁判所に呼ばれることはありません。

→具体的な対応としては、調査票に必要事項を記入し郵送で返送する 流れとなります。

 

②裁判員候補者に選任されました という通知

事件ごとに裁判員候補者が抽選され、特定の事件で自分の名前が選ばれると、この「裁判員候補者に選ばれました」という通知が来ます。

この通知が届くと実際に指定された日に裁判所に赴くこととなります。内容としては裁判員についての説明等となります。再度書きますが実際に裁判所に往訪しなければいけないので負担が大きいものとなります。

*なお「東京地方裁判所」へのアクセス方法についてはこちらでまとめています。

【東京地方裁判所】「東京地方裁判所」のアクセス・行き方!(画像案内付き)【アクセス情報】 さて今回は「東京地方裁判所」への行き方について書いていきます。 主な行き方としては、 東京メトロ 丸...

 

③裁判員に選任される

そして上記②にて裁判所に赴いて説明等を受けた後、その場で裁判員が選任されます。(東京地方裁判所での経験談ですが基本どこも同じだと思います。)

実際には、100人程度の候補者が呼ばれる中、裁判員に選任されるのはその中から6名と補充裁判員(予備人員)の2名程度となります。

 

せっかく候補者となり裁判所に赴いても、実際には多くの人は裁判員には選任されずに帰ってくることになります。

これは誰ともわからない一般人の中から無作為に選任する仕組み上、仕方がないことかなと思いますが、早めにネット上で完結できるなどの効率化を図ってもらいたいとも思いますね。

ただ、裁判所に赴いた時点で裁判員に選任されなくても裁判員候補者には、1日あたり8,000円以内で日当は支払われますのでコストについては負担とならないように配慮はされています。

 

以上が裁判員制度の裁判員として選任されるまでの実際の流れとなります。

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ウィッフィー
人事、法務、スーパーバイザーなどの経験があるサラリーマン。社会の困りごと、日常の疑問などに対し正しい内容で役に立つ情報を公開しています。ネット上には不正確や勘違い情報も多々存在しているので注意してください。