今回はここ数年でよく聞くようになった、夜仕事などでの盗撮被害の対処法について書いてみます。
なお、当人にとっては軽い気持ちで盗撮しているケースが多い印象ですが、結果多額の金銭を支払うことになりますし、警察に捕まる犯罪行為ですよね。
★目次(もくじ)
盗撮は犯罪行為
まず盗撮の規定としてあるのが、『都道府県ごとの迷惑防止条例』です。各自治体にて定める条例に犯罪行為として規定されており行為があれば普通に警察に捕まります。
どのような理由があったとしても、盗撮行為は犯罪行為そのものです。
高性能なカメラなどが開発され軽い気持ちで盗撮し警察に捕まるようなことは年々増えていますが、変な気を起こす前に犯罪行為としっかり理解しておきましょう。
盗撮の定義
盗撮についての定義は、例えば東京都の迷惑防止条例では以下です。
「通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」
東京都迷惑防止条例第5条第2項
二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
・裸や肌が露出している必要はない
被写体側としては、下着やインナー等でも、通常隠されているものであれば対象になります。
・実際に撮影されている必要はない
実際撮影までに及んでなくても、機材の設置やカメラを向けた時点で該当します。
実行済である必要はなく未遂の時点で該当する点はポイントです。
(被害側)盗撮されそう、されていると思ったら
上記で見たように、実際に撮影されていなくてもその準備や着手と判断できる実態があれば盗撮には該当します。
ただ実際には定義としての、
撮影し、又は撮影する目的
の証明が必要ですので、明らかに盗撮する目的が存在すると確信できるレベルまで証拠を残していくことは重要です。
カメラや変な位置のスマホ発見した場合、例えば事前に、
・これカメラじゃないですよね?的な声をかけておく
バレたと思って諦める。違うといいつつ撮影していた場合言い逃れができない。
・カメラやスマホの位置と向きを写真で残しておく
どこを撮影しようとしていたかの証明が容易になる。写真ではなくても、最低限位置的な相関図をはっきり書けるぐらいのメモを残しておく。
最低限この辺りを押さえておけば実際に映像が残っていなくても、盗撮目的の証明にはかなり有利に働くと思います。
必ず証拠を残すことを考えてから次の段階に移るようにしましょう。
(被害側)盗撮への対応
例えば夜の仕事関係などで盗撮行為があった場合、実際にはほぼ示談で決着させることが多いです。理由としては
・警察への被害届出は時間と手間がかかる(刑事)
状況説明などで警察署に出向き何時間も説明のために拘束される可能性がある。内容によっては受理されない可能性もあり時間の無駄となる可能性もある。
・損害賠償請求の裁判は時間もかかり、金額も多くない(民事)
迷惑行為の賠償額は想像するより意外に少ない。弁護士費用も賄えない可能性もある。関係者以外のそれなりの第三者にも詳細が知られてしまう。
などとにかく時間と手間がかかり、また最小限ではない第三者に事案の内容詳細を知られてしまうことが避けられず、結果誰も望まないため多くはなく、実質被害側の最終手段という位置づけになっている印象です。
一方示談は関係者間だけの約束(契約)ですので、双方が自由な内容で合意することができます。
一般的には警察には通報しないことを条件に、裁判した場合の費用と慰謝料込み程度が相場ですが、厳しい人やお店であれば限度がないため、かなり高額となりえることも実情かと思います。
また実際に聞いた話ですが、交渉の際になるべく示談にせず訴訟にもっていこうとする代理人もいるようで、、、専門家に相談するときは丸投げにせずこのような点にも注視しておくことは損はないと思いますね。