マンションやアパートなど集合住宅に住んだことがある方であれば、一度は郵便物(ここでは、日本郵便株式会社が行っている郵便)の誤配の経験があるのではないでしょうか。
たかが「郵便物」と思って軽い気持ちで放置したり処分できないので、実際に私も困ってしまった経験があります。
そこで今回は「郵便物」の誤配があったときの対応について書いていきます。
★目次(もくじ)
誤配があった場合の正しい対応方法
基本となる正しい対応は「郵便局に返却すること」となります。
根拠となるのは郵便法の第42条です。
郵便法
第42条(誤配達郵便物の処理)
郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を会社に通知しなければならない。2 前項の場合において誤つてその郵便物を開いた者は、これを修補し、かつ、その旨並びに氏名及び住所又は居所を郵便物に表示しなければならない。
条文に基づき解考えると「郵便物」の誤配があった場合には、返却方法として以下の3つが考えられます。
誤配の「郵便物」に、誤配とわかるようにしてポストに投函する
条文『その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ』の部分です。
はがきでも封筒でも同じで、付箋などで「誤配」(例えば、この住所の住人ではありませんなど)とわかるようにメモ書きを入れ、
その誤配された「郵便物」に貼ってポストに投函する。これで完了です。
注意点としては、剥がれないようのりやセロテープを使いたくなりますが、郵便局側が正しい宛先に改めて郵送する可能性もあるかもしれませんので、貼る場所などを少し配慮できると良いと思います。
郵便局のコールセンターに連絡する
こちらは条文『その旨を会社に通知しなければならない』の部分です。
郵便物の誤配があったことを電話やメールで連絡します。するとすぐにまたは後日郵便局員が引き取りに来るので返却します。
この方法は確実に返却できますが、対面での手渡しが発生するのでスケジュールの調整や在宅していないといけないなどそれなりの手間がかかってしまうのがネックですね。
直接郵便局の窓口に持ち込む
そして3つ目は特に規定されてはいませんが、近くの郵便局(どこでも構いません)に誤配の「郵便物」を持ち込む方法です。
その場で対応は終わりますが、誤配された他人の「郵便物」をわざわざ郵便局に持っていくというのはなんとなく気が進まないですし一番手間ですよね。
以上、運悪く誤配の郵便物が届いてしまったときには、このような対応をする必要があります。
やってはいけないこと!犯罪の可能性!?
上記のように郵便物が誤配された場合には返却が必要です。
しかし実際に誤配があったときに、深く考えずについ放置してしまったり、面倒になって廃棄しようと考えることも実際ありますよね。
そもそも誰か知らない他人の郵便物を勝手に届けておきながら、必ずその返却対応を必ずしなければならないと言われても、本人は何も悪いことをしてないですから、多少は理不尽さを感じます。
しかしそれは『許されていない』のですね。
どんなに理不尽さを感じたとしても、放置や勝手に処分する行為は、郵便法や刑法で処罰されることがありますので一応注意が必要となります。具体的には、
・放置する
他人の郵便物がポストや自宅にあるのを知っていながら放置すると「信書隠匿罪」にあたる可能性があります。郵便物を故意に隠したり、見つけにくくするような行為はだめです~!ということです。
・廃棄する
他人の郵便物を勝手に破棄した場合には「器物損壊罪」にあたる可能性があります。これには乱暴に扱って破損させてしまう場合なども含まれます。理由もないのに他人の郵便物を破損させたり、捨ててしまうのはだめです~!ということです。
・自分のものにしてしまう
他人の郵便物を自らの意思で自分のものにしてしまった場合には「遺失物横領罪」にあたる場合があります。他人の物を自分がもらってしまおうと考えるのはだめです~!というものです。
・封書を開封する
理由なく他人の封書等を開封した場合には「信書開封罪」にあたる場合があります。他人のものと認識しながら、興味などから開けちゃだめです~!ということです。
一方で他人の郵便物と気付かすに開封してしまった場合には、郵便法で以下のように決められています。
郵便法
第四十二条(誤配達郵便物の処理)
郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を会社に通知しなければならない。2 前項の場合において誤ってその郵便物を開いた者は、これを修補し、かつ、その旨並びに氏名及び住所又は居所を郵便物に表示しなければならない。
ということで、
もし誤って知らずに開封してしまった場合には、可能な範囲で復元できるように補修し、開けてしまった理由、氏名、住所情報を添えて、返却処理をしなければいけないということになります。
こんなことで、個人情報まで添えて出すって嫌すぎますけど・・・・
もし誤配があったときには誤って開封することがないように気をつけたいところですね。
実際にはこのようなケースだけで警察が動くかどうかという現実的な問題はありますが、名宛人などが警察に相談していた場合などは、罪に問われる可能性が残ったままとなりますので注意したいところです。
郵便と郵便以外の違い
ここまで見てきたように、誤配された「郵便物」はきちんと返却対応を行わない限り、何らかの罪にあたる可能性が存在したままになってしまいます。
ですので誤配の郵便物が届いてしまった場合には、ただただ不運ですが返却対応を迫られることとなります。
ただし実はこれ「郵便物」についてのこととなります。
例えば運送会社が配達しているメール便などは該当しないこともあり、配送業者独自の規約などでその取扱い方法が定められています。
しかし
メール便であっても、勝手に捨てたり、もらってしまったりすると遺失物横領や器物破損などの対象となる可能性
は残りますので、結局のところ「郵便物」と同じように考え、対応することが一番安心です。
一方的に送りつけられる誤配ですが、正しく対応しておかないと、勝手にリスクが発生し、残ったままになってしまうだけ のとても迷惑なものなのであるのは間違いありません。
手間はかかりますが、きちんと対応しておくことが唯一の対応となりますね。
それでは~。