こんなニュースを見かけました。「医師と詐称しブログで健康食品を販売していた男性」がその内容を告白。
要約すると、ブログを書いている自分は医師であると欺き、この商品がおすすめとか良いとレビューし、アフィリエイトから販売に誘導していたということですね。
この行為自体が、多くの問題を含んでいると考えられますが、今回これを読んで最初に思ったのは、
「ブログやアフィリエイト記事を書いている人は広告を掲載したり、商品レビューから商品販売へ誘導する際、気を付けるべきことを認識しているのだろうか」
というところでした。
現在はブログやアフィリエイトを始めるにあたり、特別な資格などは必要ないですし、ブログやアフィリエイトサイトそのものは大きな問題となっていないと思いますが
このような行為が続き社会問題になれば、結果としてブログなどで広告設置している人の首を絞めていくことになると思います。
そこで今回は、商品紹介について一番身近な「景品表示法」とアフィリエイトとの関係について簡単に解説してみようと思います。
ブログで商品購入誘導のためのアフィリエイトを設置する際に、このようなことに注意しておけば、という参考になれば幸いです。
★目次(もくじ)
「景品表示法」とは
正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。“
引用元:消費者庁HP「景品表示法」ページ
簡単にいうと、商品を購入する際の情報表示に関して厳しくルールを定めているものです。
消費者の保護を目的としている法律なので、販売提供する側の順守内容が決められています。
規制の対象は本来的には、商品販売者や提供者自身ではあるので、アフィリエイトを設置しているサイトの運営者が景品表示法を根拠として規制の対象になることは、現時点ではありません。
しかし、今年に入り、初めてアフィリエイト(そのものの表示)が規制の対象となったことから考えても、消費者庁が、いずれはアフィリエイトを設置してるサイト運営者に対し何らかの方針を示すことも十分考えられるので、
これを機会に、アフィリエイトの設置や記事を書く際に、問題とならないような表示や書き方について認識の手助けになればと考えています。
記事で気を付けることは1つだけ!
ブログなどにアフィリエイト(画像)のみを設置する場合には特に気を付けることはありません。
アフィリエイトの表示内容については、広告主が全責任を負うことになっているためです。
しかし、アフィリエイト設置とともに紹介記事などを書く際には、1つ気を付けなければならないことがあります。
それは、
「事実と違うことを書かない」
ということで、ここでいう「事実」とは、その商品の性能や効果などについて嘘偽りのないことという意味になります。
これは、自身と運営サイトを守るためにとても重要なことです。
上記でも書きましたが、基本的に「景品表示法」を根拠にした広告の表示規制対象は原則的には広告主です。
しかし、あくまで「景品表示法」からみてということだけなので、ブログに設置したアフィリエイトから販売誘導するために、誇大に書いてあおったり、特別優れていないのに優れているように書いたりなどの行為により、
結果として、消費者が欺かれたり、誤解や錯覚をして購入したりした場合には、他の法律を根拠に「損害賠償請求」など起こされたり、最悪「詐欺」に巻き込まれたりする可能性が無いとは言い切れません。
ですから、唯一守るべきこととしては、
「事実と違うことを書かない」
ということとなります。
また、『今は大丈夫なんでしょ』と、少し盛った内容で事実に基づかない表示とともにアフィリエイトを設置し誘導していたら、
広告主やASPから契約違反などとして、契約解除や損害賠償請求などが行われることも無いとは言えないですから、
このような理由からも、記事を書くときは事実に基づいて、正しく書くことが唯一の安全策となります。
逆に事実と違うことを書いていなければ、これらについては何も心配する事はありませんね。
健康食品などは特に注意!
現状ASP側からも最も気を付けてと思われているのがこれでしょうね。
なぜかといえば、
アフィリエイトを設置する側が規制の対象
となる可能性があるからです。
上記までで、現状では「景品表示法」に基づいて、アフィリエイトを設置する側は、基本的には直接規制を受けないことは認識できたと思います。
しかし、やっぱりといいますか、アフィリエイトを設置する側が規制対象となる可能性のある商品やサービスはあって、それは健康食品といわれるようなもので、例えば、
「飲めば〇〇に効果があります」とか
「食べればがんに効きます」とか
そのような謳い文句で販売されているものです。よく見ますよね。
根拠は「薬機法」と呼ばれるもので、正式名称は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律と言い、元々は「薬事法」と呼ばれていた法律が平成25年11月に改正されたものです。
広告表示に関係するところだけを簡潔に書くと、確認されていない効能や効果、科学的根拠のない情報や証明ができない内容は、一切表示できないことになっています。
例えば、
「これを飲むだけで〇キロ痩せます」とか
「がんの治癒に効果があります」などは
その事実が明確で根拠がない限り違反となりますが、
実際そのような”もの”は、現代ではまだ発明されていませんよね。見た瞬間に嘘だということがわかってしまいます。
そして、ここでしっかり認識しておきたいことは、「景品表示法」を根拠にした場合には、一般的に責任を負うのは広告主だけでしたが、この「薬機法」はそうとは限らないという点です。
アフィリエイトを設置する側が規制の対象
となる可能性が全く無いとは言えないのです。
万が一にもトラブルに巻き込まれないように、少しでも怪しいと思った企業の広告は載せないなど十分注意すると良いと思います。
まとめ
以上ですが、長くなったのでまとめておきますね。
アフィリエイトを設置しているブログやサイト運営者からみると、
「景品表示法」の視点からは
原則的に、違反するバナー広告を設置していたとしても責任を負うことはない。また設置状況や誘導文言についても現状では問題とならない。(アフィリエイト広告を設置する側の責任も広告主が負うことにはなるのでそこはよく考えましょう)
ただし、設置状況や誘導文言等について「景品表示法」以外の法令などを根拠とするトラブルのリスクは存在します。
「薬機法」の視点化からは
いわゆる健康食品などに分類される一部の商品は、違反する広告表示があった関係者のどれもが規制を受ける可能性がある。アフィリエイト広告を設置する側も対象となる可能性も排除されておらず、商品や表示内容(根拠、事実性)には十分注意することが必要。
と考えられると思います。
結局どちらも、
「事実と違うことを書かない」(事実と違う広告を設置しない)
を守っていれば問題とはならないことです。
自分のサイトは誰も守ってくれませんので、自分の手でしっかり守っていきましょうね。
以上、参考になれば幸いです。