法律小話

勤務中に突然の不幸など緊急事態ですぐ退社は可能か?その方法と理由

 

勤務している最中に、緊急事態で親族などから会社に連絡があることはめったにないと思いますが、もしあったときはとても慌ててしまいますよね。

 

そして、連絡をもらった後にすぐ退社して帰ることになるでしょうから、どうしたら良いのかと上司に相談したりすると思います。

 

多くの会社は、すぐに帰らせてくれるかもしれませんが、ときどき、仕事を終わらせてから帰れなどと言われ、すぐに帰らせてくれない会社もあるようですね。

 

ということで、今回は勤務中に、緊急事態があってすぐに帰りたいときに、どのような方法が可能かということについて書いていきます。

 

法令では特に定めはない 就業規則で規定があるか

勤務中の従業員に関係する緊急事態などへのルールは、法令では特に定めはありませんので、もし定めるのであれば、会社ごとにルールを決めることになります。

 

しかし、ほとんどの会社では、せいぜい「慶弔休暇」に関する定めがある程度で、親族の危篤やその他緊急事態の場合の定めは規定されていないと思います。

 

一度、就業規則の「慶弔休暇の章」などを確認しておくのも良いかもしれませんね。

 

ですので、勤務中に自身に関係する緊急事態が起きたときに即退社ができるかどうかは、会社の許可次第と考えることができます。

 

ほとんどの会社はコンプライアンス上の問題もあると思いますので、まず許可してくれるため、即退社したい場合は、理由を説明して許可を得るようにすれば問題ないところですね。

 

即退社したい場合、有給休暇を取得しましょう

もし、親族が急に倒れたりして緊急事態が起きたときに、即退社するためにはどうするのが一番良いのか。

 

このような場合は、『有給休暇を取得する』ことが考えられます。

 

ちなみに、有給休暇の考え方としては、労働者の権利であって、会社の許可は特に不要とされていますよね。

 

ですから、有給休暇を取得する際の手続きは、おそらく会社に許可を得るのではなく、事前に「申請する」という手続きになっているはずです。

 

もし、有給休暇の取得について、「許可制」となっている会社があるとしたら、それは正しい意味を理解していないだけか、いわゆる「ブラック企業」です。

 

有給休暇は労働者の(法律で定められた)権利であり、その取得について理由は必要ないとされていますので、このあたりは正しく把握しておきたいところですよね。

 

ということで、このような緊急事態のときは、会社に相談し有給休暇を利用し、即退社する方法が一番問題がないと考えられます。

 

しかし、労働者の権利で取得理由が不要である、有給休暇の取得について、この場合になぜ会社に相談するのかというところですが、

 

会社には、時季変更権という、有給休暇の取得が正常な業務の運営を妨げる場合に限り、有給取得時期を変更できる権利があります(ただし、認められるケースはかなり限られます)。

 

緊急事態ということで、有給休暇の取得について、事前の申請ができないので、会社の時季変更権との兼ね合いで相談し許可を得るという流れが必要であると考えるためです。

 

ということで、緊急事態で即退社したい場合には、まず会社に理由を説明して有休を取得するが一番問題のない方法になると考えます。

 

また、事後の有給休暇の取得を認めている会社も多いと思いますので、その場合は後日処理すれば問題ないですよね。

 




 

有給休暇がない場合

もし、このような緊急事態で即退社したいときに、有給休暇がない場合はどうしたら良いのか。

 

その場合は、欠勤の申し出になります。とりあえず理由を説明して、欠勤扱いにしてもらえるかの相談でしょうか。

 

こちらも、まず会社に理由を説明して欠勤の許可をもらうことが一番良い方法ということになります。

 

会社が許可してくれない場合

上記のように、会社に理由を伝えて相談すれば、ほとんどの会社では緊急事態であれば即退社させてくれると思います。

 

しかし、万が一、緊急事態にもかかわらず、会社が即退社を許可してくれない場合は何ができるでしょうか。

 

このような場合、本当に最後の手段としては、不許可でもそのまま退社してしまうことでしょうか。

 

これは、もし会社の許可を得ずに帰ってしまったとしても、後日何らかの懲戒処分(厳重注意や減俸などでしょうか)を受けることはあり得ますが、

 

その1回だけ(業務に与える程度にもよりますが)を理由にいきなり即解雇(=適法な解雇)というのは、なかなか難しいのではと考えるからです。

 

ただし、会社ごとに懲戒処分、解雇の要件が異なると思いますので、許可を得ない退社がどのような懲戒処分にあたるのかは、事前に確認しないと何とも言えないところはあります。

 

また、一方で会社としても、本人が拒んでいるのに労働を強制することは、違法行為や人権侵害の可能性があります。

 

このような事情はありますので、後日、何らかのペナルティを受ける可能性はあるものの、それだけの覚悟をもって帰ってしまうというものですね。

 

実際、このあたりの懲戒処分については、就業規則を確認すれば具体的に規定されているはずです。

 

なぜなら、会社は懲戒に関することは具体的に定めておかないと、当該理由を根拠とした懲戒処分を行うことができないからです。

 

ただ、コンプライアンス精神を無視するような会社でなければ、実際に不許可とするケースはほとんどないと思います。

 

そもそもこのような緊急事態は起きて欲しくないことですが、会社がこのような緊急事態に、もし即退社を認めてくれないということであれば、

 

そのような会社は、

 

従業員を大切な人材を考えていない、ということであり、そのような判断に伴うリスクや、そもそもコンプライアンスへの理解も欠如していると

 

判断しても良いのではないでしょうか。

 

そして、そのような会社は、きっと見えないところで似たようなリスクを抱えていることでしょう。

 

このような、時代に鈍感な会社は、早々に見切りをつけた方が、そもそも一番良いのではないかと思いますね。

 

それでは~。