
『内定辞退は直接企業に会って、まずは感謝の気持ちを伝えてから』
これは、あるニュースで記事になっていた内定辞退をするときの正しいマナーとのことです。
私は人事経験がありますので、実際に内定辞退の方の電話などを受けた経験がありますが、この内容には全く賛同できませんでした。
そこで今回は、自身の人事経験をもとにおすすめしたい内定辞退の方法について書いていきます。
★目次(もくじ)
元人事がおすすめする内定辞退の方法
さて、それではおすすめする内定辞退の方法を見ていきましょう。
企業の人事の方も、あらかじめ内定辞退は想定しているので、紛争時のような対応は必要なく、また直接アポをとって対面する必要も全くないと思いますので、以下の方法をおすすめします。
書面を郵送
まずおすすめなのが書面を郵送する方法です。
書面の内容は、最低限
・書面を作成した日時
・会社名(代表者あて) *郵送のあて先は人事の担当者で問題ありません
・この度の内定を辞退すること
・自身の署名
が記入してあれば問題ありません。
そして、書面内容をコピーなどして保管し、追跡のできるレターパックや簡易書留で送っておけばこちらも問題ありません。
書面であれば、失礼にも当たらないと思いますし、形も残り、郵送の追跡もできますからお互いにとって問題のない方法であると思います。
人事担当としても、書面で送られれば何も言うことはできませんし、ありません。
メール
次におすすめの方法はメールです。
礼節という点で、書面より劣るように感じることもあるかもしれませんが、これだけビジネスでメールが利用され、普及している現代では問題ないと思います。
ただし、この方法は人事担当者から返信がきて、辞退理由を聞かれたり、内情を探ろうとされたりすることも多いので、そのような点には注意した方が良いと思います。
電話
そして、電話でしょうか。
正直、私自身は電話で内定辞退されるのは、なかなか辛かったり、しゃべることがなくなったりで、あまり良い印象はありません。
しかし、いまだに一定数の電話信者(大事なことは直接言えないならせめて電話しろという謎マナー信者)が存在するのことも事実ですので、電話という方法もありだとは思います。
元人事で内定辞退についても何度も直接受けたことがある私としては、以上の方法がおすすめであると考えています。
『アポ取って、直接会って伝える』はやめましょう
大手新聞の記事でなぜこの方法がマナーとして紹介されたのかわかりませんが、これはやめましょう。というかやめて欲しいと感じますね。
お互い貴重な時間を使って、生産性のないことをする意味は『マナーだから』という理由だけではとても肯定できません。
また、内定辞退の連絡の際は電話であっても、お互いが気を遣ってしまい話が一瞬で終わってしまうのに、対面であればもっと気を遣って気まずい雰囲気を避けようと無理にがんばっちゃうかもしれません。
そんな大変な思いは、お互いしなくて良いです。
企業は一定数の内定辞退を想定して採用しているので、方法は問わずきちんと連絡をしてくれるだけで問題ないはずですからね。
内定辞退のためにアポをとって、直接対面で伝えるのは、お互いが嫌なことをしなければならない状況にもなり得ますから、正しいマナーとも言えないと思いますね。
内定後(承諾後)の問題のない辞退とは
最後に、内定後の問題のない辞退の考え方について少し書いてみたいと思います。
実は、内定という状態に法的拘束力があるかないかは、その『内定』の状況によって個別判断が必要なものなので一概には言えないものとなっています。
ですので、ネットで検索してみると、法的拘束力があると解説されていることもあれば、法的拘束力はないと解説しているところもあるはずです。
ですので、もし自分が内定辞退をしたいと思ったときにはどう考えたら良いかを個別判断しなければいけないことになってしまいます。
しかし大丈夫です!
どのような内定の状態であっても、問題のない辞退の考え方と方法が存在しています。
それは、『入社日とされている日付の2週間前までに内定辞退を申し出ておくこと』
というものですね。
この理由としては、内定が労働契約の締結と判断される場合でも、労働者側からは、解約日の2週間前までに申し出ることにより、一方的に労働契約を解約できることが根拠になります。
ですので、内定を辞退する場合には、なるべく早く、最低でも入社予定日の2週間前までに確実に連絡をするようにしておきましょう。
なお、労働契約の最短期間についてはこちらで確認できます~

以上、参考になれば幸いです。