元「人事」のこぼれ話

【休職やうつ病】いざというとき、会社は従業員を守ってくれるのか!? 

 

働いていると突然のケガや病気におそわれることがありますよね。

 

特にうつ病などのメンタル的なものは年々かなりの勢いで増加傾向にあります。

 

このような傷病にあたって、いざというときに会社はその従業員をしっかりケアし、守ってくれるのか、

 

そんな話を人事経験をもとにした内部の視点から書いていきたいと思います。

 

いざというときに、会社は従業員を守ってくれるのか?

結論から言うと、会社は従業員を守ってくれません。

 

例えば、休職期間中に給与の補償をしてくれる会社は、ごく一部の大手企業などにはありますが、全くないところが多いはずです。

 

これは傷病手当金の利用者数が増加していることからも明らかです。

 

人事のときにも、うつ病や体調がすぐれない方が

『会社は何もしてくれない』

と言いながら去っていったのを多く見てきましたし、私自身そう感じていましたので、

 

ケガや病気など、いざというときに会社はいち従業員を守るようなことはないと考えておいた方が間違いありません。

 

ケガや病気のときに頼れるのは公的機関

それでは、いざケガや病気で働くことができなってしまった場合はどこに頼れば良いのでしょうか。

 

まず心配になるのが生活費のことですよね。

 

お金に関しては、公的機関である健康保険の傷病手当金などを利用することが一般的です。傷病手当金には上限はありますが、月額給与の3分の2程度が支給されるありがたい制度となっています。

 

ただし、休職期間に会社から給与をもらっていたりすると減額されたり、支給されなかったりしますし、実際の支給までは最低申込みから2か月程度はかかりますのでこれらの点には注意が必要です。

 

その他、退職した場合は失業保険などもあります。

 

いざというときには、会社は従業員を守ってくれませんので、このような公的機関の制度を利用することになります。

 

人事のときの経験談

 

最後に実際に人事のときに、『会社は従業員を守らないんだな』と強く印象に残っている経験を書いてみます。

上司の理不尽な要求(パワハラ)による体調不良を放置

これは、上司の能力が低く、整合性のない行き当たりばったりの要求のせいで、体調を崩してしまい、会社に相談したが、会社側は話をきいただけで特に対応などを行わなかったため当該従業員が耐えきれずに退職していったというものです。

 

当時私は直接担当していたわけではないのですが、個人的に話をする程度には親しく、退職する日に私のところに来て、

『会社は何もしてくれないということを知りました』

と言われたことを今でも思い出すことがあります。

 

客観的に見れば、会社としては無能な上司を切った方が会社のためになるはずなのに、そのようにならないのが日本の会社という組織なんだと強く感じるのは今も変わっていません。

 

上司の放置や無視等(パワハラ)による休職にも関わらず補償なし

これも上司が無能で、当該従業員の業務改善や業務変更等の要望を受けていたにもかかわらず、放置し結果として無視という形になり、体調を崩し休職を余儀なくされたというものです。

 

当該従業員の休職理由は、上司のパワハラであるという診断書まで提出がなされており、会社側の非は明確でした。

 

結局当該従業員は、休職期間中に保有していた有給休暇をすべて使用し、また期間的に所定日数の8割以上の出勤も不可能となり、次年度の有給休暇の発給条件を満たせず、次年度もも有給休暇の発給が0という状態に追い込まれたためその補償を求めました。

 

上司のパワハラによって、有給をすべて使用することになり、また次年度の有給も0となる、実質1年半以上も有給0という異常事態に対しても、会社は一切補償をしないという決断をしたために、当該従業員は退職を決めることとなりました。

 

このように、上司(会社)が原因で有給が1年半以上なくったとしても何もしないというのがまかり通っているという現実は、会社だけでなく、労働法の落ち度というべきところでもあると感じます。

 

新人でも半年で有給が発給されるのに、傷病で休んだ人が1年以上有給0って、とんでなく理不尽なことであると感じますよね。

 

これは法律を作る官僚が手厚く保護されていること、それに賛成する国会議員の多くが長期間に渡る会社員経験がないこと、また休職するような事態に陥ったことがないことなどが理由にあるとは思いますが。

 

このように、いざというときに会社は従業員を守ってくれませんし、労働法も弱者を守るセーフティーネットとしてはまだまだ不十分ですので、このような現状を少しでも変えていけたらと思うところです。

 

もし私が立候補するなら公約は、

労働基準法を改正し傷病で休職や長期欠勤した人の有給休暇の発給要件を追加すること

とでもしたいと考えるところですね。

 

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