
普段からSNSやブログなどで画像や写真はよく使用すると思います。
そして、おそらく使用する画像は自分で撮ったものが多いのではないかと思います。
私もブログに載せる画像については基本的に自分で撮影していますね。
これがなかなか大変ですので、例えばネットで拾った画像を使えば楽なのですが、ご存知の通り著作権侵害になる可能性大ですから、違法行為になってしまいますよね。
また、無料の素材サイトなどのフリー素材を使っても良いのですが、サイト運営者の一存で突然使用禁止にできたりなど、常に突然の使用禁止などのリスクがあるので、これも使用を控えています。
ですので、自分で写真を撮るしかないというのが現状です。
しかし、自分で撮影すればどんな写真も自分が思ったままに使用できるとは限りませんよね。
特に人物が写っている写真などには、肖像権という『自分の容姿を勝手に撮影されたり、公表されない権利』がありますので、注意が必要です。
そして、人物と同じぐらい写っていることが多いのが、建物・建築物だと思います。
そこで今回は、SNSなどで使用する為に自分で撮影した写真に写っている建物・建築物について、著作権的にはどのように扱われているかについて解説したいと思います。
今後、安心してSNSで写真を使用するために、ぜひ読み進めていただければ幸いですね。
★【著作権】についてはこちらで書いてます~★

★目次(もくじ)
建築(建造物)自体に著作権はあるのか
著作権法で例示されいている著作物として、『建築の著作物』というものがあります。著作権法第10条の第1項の第5号ですね。
(著作物の例示)
第10条
この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
そして、『建築の著作物』というものを説明すると
現に存在する建造物またはその設計図に表現される観念的な建物の中で、歴史的建築物に代表されるような建築芸術(美術性のある建造物)であると評価できるもの
とでもいえば良いでしょうか。う~ん・・・ 文字だけだとやっぱり良くわからないですよね。
ということで簡単に言ってしまえば、
お城とか神社などの独創的で芸術性のあるデザイン建造物
などが『建築の著作物』に該当すると考えられます。
ですから、独創的であり芸術性が認められる建造物のみ著作物となり得るということになっており、むしろ『建築の著作物』というものは実は圧倒的に少ないのが現状です。
まぁ建造物については、多くのものが著作物にはならないということですね。
一般的にどこでも見かけるような住宅やマンションとか、単なる四角いビルとか橋梁などの建築物は、『著作物』には該当しないわけです。
例えば、デザイン的にはどこでもあるような住宅を見つけ、それを真似て自分の住宅を建てたとしても著作権法上の問題となることはおそらくないと考えられます。
一部の独創的、芸術性が認められるような建物には著作権が認められるが、その他の多くの建造物自体に著作権はないということになっています。
写真に写った建造物と著作権の考え方
上記で『建築の著作物』を見てきましたので、お気づきの方もいるかもしれませんが、
写真に写っている建造物には著作権が無いことが多いので
基本的には、
建造物が写った写真をSNSやブログなどで使用しても、著作権法上で問題となることはありません。
ですので、自分の撮った写真に建造物が写っていたとしてもそのまま使用して問題はありません。
本当なのかなぁ~? 危なくないの~? って思う方もいると思うのでもう少し解説しますね。
簡単にするためにパターンにして見てみましょう。
①著作物とならない建造物が写真に写っている場合
著作物でない建物ということは、著作権がない建物ですから、それが写真に写っていたとしても著作権法違反になりませんから、これは特に問題ないですよね。
②著作物となる建造物が写真に写っている場合
さて、著作権がある建物(建築の著作物)の場合についてはどのような判断がなされているのでしょうか。
その答えは、文化庁のHP「著作物が自由に使える場合」にあります。以下引用です。
公開の美術の著作物等の利用
(第46条) 屋外に設置された美術の著作物又は建築の著作物は,方法を問わず利用できる(若干の例外あり(注6))。
(注6)公開の美術の著作物等の利用の例外
(1)彫刻を彫刻として増製し,又はそれを公衆に譲渡すること。
(2)建築の著作物を建築として複製し,又はそれを公衆に譲渡すること。
(3)屋外に恒常的に設置するために複製すること。
(4)もっぱら販売目的で美術の著作物を複製し,又はそれを販売すること。
引用元:文化庁HP 著作物が自由に使える場合(http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)
うん?? 何かサクッと一言で終わらせていますよね。
そうなんです!! 例え仮に著作権がある建物(建築の著作物)であったとしても、
”方法を問わず利用できる”
ということになっています。
ということは、写真で撮ってSNSなどで利用しても問題ないということになりますよね。
ちなみに、国会議事堂も著作物ですがみんな自由に写真を使っていますよね。
~写真を撮りに行く方はこちら参考にどうぞ~。
★国会議事堂アクセス方法★

ということで結局のところ、
建物に著作権があってもなくても、建物を撮影しSNSやブログなどで使用しても問題ない
ということになっています。
建物の写真等を利用するときに建物の著作権は、実は影響していないわけですね。
その他の注意事項
これまでに、おもに著作権との関係から写真に写った建物について書いてきましたが、それ以外の注意点について少し書いていきます。
写真を撮る際に気を付けたいこととしては、
・撮影禁止の場所での撮影
・立ち入り禁止場所に入り込んでの撮影
でしょうか。
また、その建物の管理者や著作権者が嫌だと感じそうな利用方法はやめた方が良いです。
これらは著作権には直接関係ないものですが、イメージ毀損や不適当な利用方法などとしてトラブルが起きないとも言えないですからね。
さて、今回は以上となります。これからは自信を持ってSNSで写真を利用していきましょう~。
それでは。