気になる法律の話

【笑ってはいけない軽犯罪法】警察がその気になれば、どんな人でも逮捕できそうという話

 

悪質なあおり運転をした男女が逮捕されました。男は傷害、女は犯人隠避の容疑でとりあえず逮捕といったところでしょうか。

 

社会的な影響も大きく何としても逮捕したいところだったと思うので、警察としてはホッとしているのが本音だと思いますが、

 

実は警察がその気になれば、どんな人でも、誰でも逮捕できてしまいそうという話を今回は書いていきたいと思います。

 

誰でも逮捕できそうな根拠は『軽犯罪法』

この軽犯罪法、一度ぐらいは聞いたことがある人も多いのかもしれません。

 

昭和23年に施行されたとても古い法律で、小さな犯罪についてこれでもかというぐらいのボリュームで定めらています。

 

一応、警察による濫用はできないという定めはありますが、この法律1つで、いざとなればどんな人でも、誰でも逮捕できてしまうレベルの内容のものとなっています。

 

笑ってはいけない『軽犯罪法』の主な内容

それでは実際に、え!?っと感じるような軽犯罪法の一部を見ていきましょう。

 

人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者

例えば、空き家などにいただけで捕まるおそれがあるという内容ですよね。

人の家、敷地に勝手に入り込んだ場合には、住居侵入罪というものがありますが、人の家屋、敷地でなくても捕まえちゃうぞというものですね。

 

生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの

これはひどいですね。健康であるにもかかわらず働かずに知り合いの家を転々としているような人は捕まる可能性があるということになるでしょうか。

働かずに、住所不定者というだけで、誰にも迷惑をかけていないのにあっさり捕まえることができる内容です。

 

公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者

これはよくある、電車内での暴言や暴行するようなことも該当する内容となっています。

とりあえず、公共の場で著しく迷惑をかける奴は捕まえるぞというものですね。

 

正当な理由がなくて他人の標灯又は街路その他公衆の通行し、若しくは集合する場所に設けられた灯火を消した者

現代ではもう意味不明ですね(笑)。勝手に電気を消すなということでしょうか(笑)。

 

風水害、地震、火事、交通事故、犯罪の発生その他の変事に際し、正当な理由がなく、現場に出入するについて公務員若しくはこれを援助する者の指示に従うことを拒み、又は公務員から援助を求められたのにかかわらずこれに応じなかった者

これは、犯罪現場や火災現場などで、警察や消防士などの指示に従わなかった場合に適用される可能性があります。

もっと下がってと言われていたり、そこから離れてと言われているのに従わなかったりすると捕まってしまうわけです。

 

相当の注意をしないで、他人の身体又は物件に害を及ぼす虞のある場所に物を投げ、注ぎ、又は発射した者

これは、マンションの上階から何か落としたり、家の窓からエアガンで撃ったりしたときに捕まえちゃうぞというものですね。

 

人畜に害を加える性癖のあることの明らかな犬その他の鳥獣類を正当な理由がなくて解放し、又はその監守を怠ってこれを逃がした者

(笑)ノーコメントで。

 

公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者

騒音などを起こしている人はこれで捕まる可能性があります。

別途迷惑防止条例などでもこのような行為は禁止されていますから、先に条令が適用されるケースが圧倒的です。

 

官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作った物を用いた者

これには警察官などのコスプレも該当するとされています。

 

虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者

公務員は忙しいのだから、迷惑をかけるなというものですね(笑)。

 

質入又は古物の売買若しくは交換に関する帳簿に、法令により記載すべき氏名、住居、職業その他の事項につき虚偽の申立をして不実の記載をさせた者

現代では中古品の売買は当たり前のように行われていますが、売り際に氏名等の人物を確認する情報を書くと思います。

軽い気持ちでこの情報を偽って書いてしまった場合などには、いざとなれば警察に逮捕されてしまうわけです。

 

公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

ももの露出でも捕まることがあるということですね。

あまりにひどい場合、例えば性器の露出などは公然わいせつが適用されますが、本当に軽い露出でもその気になれば捕まえることができるわけです。

 

こじきをし、又はこじきをさせた者

(笑)。なぜ捕まえないのでしょうかね。

 

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

ここのポイントは『ひそかに』というところです。

普通のぞくときはひそかにのぞくと思いますが、結局ひそかにのぞいても捕まるわけです(笑)。

 

公私の儀式に対して悪戯などでこれを妨害した者

公私の儀式ですから、結婚式とか入学式とか葬式とかあらゆる儀式が含まれます。

気に入らないからと結婚式や葬式を妨害した場合には警察に捕まる可能性があるということですね。

 

街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者

これ捕まりますよ!特に男性の方はちゃんと認識しておきましょう。

 

公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者

公共の利益に反するとは、社会のためにならないというようなことでもあると言えますから、結局ごみなどを捨てた場合には適用される可能性があります。

道路、公園や駅でのポイ捨てや、車からごみを捨てたりしたら捕まえることができるわけです。

 

他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者

これを理由にすれば何でも捕まえることができそうです(笑)。

 

入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入った者

入場が禁止されている山林や他人の田んぼに無断で立ち入った場合などは捕まえちゃうぞというものですね。

 

公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者

お祭りなどでの出店での出典所在があやしい物品などはどうなるんでしょうかね(笑)。

 

このように、つい笑ってしまうような内容もありますが、軽犯罪法にかかれば、実際に逮捕しようと思えば、ほとんどの人が逮捕される可能性があるものとなっています。

 

ただし、実際の適用数は多くない(当然ですが)ので、常識的に生活をしていれば特に心配はいらないとも言えますね。

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